それいけヒーロー部
最終的に面白がってたかちゃんの様子を見ていた刈り上げ先輩の手を海先輩がつかみ、刈り上げ先輩はつんつん先輩の手を掴つかみ、5人で仲良く空き教室へと連なってやってきた。
こりゃあお姉さま方のお叱りを受けることになりそうだな。
「牧村、お前オレたちを巻き込むなよ。」
「あんなニヤニヤ見守っててよく言いますよ。巻き込まれて楽しんでいるのはどこの誰ですか。」
「バレてた。」
「この先輩たちダメだ。」
「おいおい牧村。信頼している先輩捕まえといてその言い分はないだろうよ。」
「お嬢様の我儘なお願い聞いてやったの忘れたのか。」
「…くるみ、お前先輩相手になにやってんだよ。なんのプレイだよ。」
「お嬢様プレイすかね。」
「そういえば最初にしゃべったときもなんか変なしゃべり方してたよなお前。殴打してさしあげますみたいな。」
「よくそんなこと覚えてますね。あたしは忘れました。」
「あまりにも衝撃的過ぎて。」
「お前らめっちゃ仲良しかよ。でもこいつはオレの子分だから手は出すなよ。」
海先輩が呆れた顔で頭を撫でてくる。なんで今の流れでそうなった。
「大文字も牧村と相当仲良しな。お前のそんな顔初めて見たわ。」
「幼馴染って言ってたっけ?なんとなく牧村の強さの根本が分かった気がする。」
「まぁオレが毎日のように面倒見てやってたからな。」
「面倒見てたのはあたしでしょうが。海先輩がお巡りさんの御厄介になってないのはあたしのおかげですからね。」
「どの口がそんなこと言ってんだ?お前がこの高校選んだのだってオレがいるからだろ?オレのこと大好きだもんな?」
「海先輩が中学卒業した後は平和なもんでしたよ。高校を選んだ理由はチャリで通える範囲にあるそれなりの学校だったからであって、海先輩がいるとか頭になかったっすね。」
「どうだか。何かあるとすぐ泣きついてくるお子ちゃまがよ。」