それいけヒーロー部

「ま、牧村。さっきは大文字に絡まれて怖かっただろう。今度から大文字に絡まれたらオレに言え。た、助けてやるから。」



「海先輩が完全にヒールで笑えますね。」



本人を目の前にして言うあたり、海先輩は視界に入っていないんだろう。




「オレを勝手に悪者にすんなや。オレこいつと幼馴染なんだってば。仲良し仲良し。」


「牧村、オレ、普通の先輩になれるように頑張るから…」



海先輩の言葉もスルー。
耳も異常をきたしているようだ。




「だから、牧村も普通の後輩みたいに、オレの事無視しないでほしい。」



いつの間にか肩を掴まれ、真正面から真剣な顔で瞳を覗き込まれる。


確かに今まで無神経に無視し続けたもんな…いくら変態といえど、さすがに失礼だったかな…







「あと、可能であれば、気が向いたときにオレを蹴って…いや、オレと戦ってほしい。」

「ハイ、アウトー。」




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