それいけヒーロー部
「いてっ」
普通に殴られた。びっくり。
「その、関係者って?」
「気にすんな、お前はただ殴られとけ。」
「いてっ」
普通に蹴られた。びっくり。
殴られとけっていったのに蹴られた。
力はそんなに強いわけではないけれど、殴られたり蹴られたりしたら普通に痛い。
あたしは痛みに鈍感とか、痛覚がないとかそんな体質持ってないからな。
しかし、殴られる理由が隠されているのが気に食わない。
誰の関係者だろう。
これが男子だけだったらなんにも気にしないで煽って殴って終わりなんだけどな。
お姉さんたちもいるから困る。
後ろでコソコソしている隠密部隊がなんとかしてくれればいいんだけれど。
「正当防衛ってしてもいいですか?」
とりあえずバカスカ殴られるのは痛いのでこっそり防御はしてみる。
顔は殴られると痛いのよ。
この人たち殴り慣れてないからか、変なところ思いっきり殴ってくるから痛い。
何人か沈めてしまえばいいんだろうけど、そうしたら過剰防衛になりかねないしなぁ。
「あんた何言ってんの?これは制裁なんだから、黙ってやられてなよ。」
「あ、これ使ってよ。なんかこいつ、余裕ぶってるからちょうどいいかも。」
そう言ってお姉さんがお兄さんに渡したのはパイプ椅子。
えぇー…それはちょっと痛いなぁ。血がでるぞ。
「いいねぇ。いくぞーっと!!」
振り上げられるパイプ椅子。
ここまで耐えたし、もういいよね。
ちょっとくらい反撃しても。