それいけヒーロー部
自分たちが巻き添えを食らわないためか、お兄さんリーダーがパイプ椅子を振り下ろそうとするときに他の人たちはあたしから距離をとった。
やっぱり喧嘩慣れしていない人達だ。
こういうのは何かで拘束したり、ちゃんと誰かがおさえておかないと当たらないのよ。
パイプ椅子が床に傷をつける直前に、コロンと右に避けた。
思った以上に威力もスピードも無くて避けるのが簡単だ。
「避けんなよ!」
「すみません、さすがにそれは当たると血が出そうなので避けました。」
避けるついでに右にいたお兄さんに蹴りをくれる。
丁寧にすねを蹴って差し上げた。
蹴られたお兄さんはうめき声をあげて蹲ってしまった。
「あの、パイプ椅子で人の事殴ったらどうなるかくらい高校3年生なら分かりますよね?あたしが頭切って病院送りになっちゃったらどうするつもりですか?
ちなみにあたしは泣き寝入りとかそういうの嫌なんで、どんなに痛めつけられようと、どんなに辱められようとありのままの事実を話します。だから、そろそろやめておいた方がいいと思いますよ。」
お兄さんたちのためにそう告げるが、やはり自分の身が可愛くて言っているように聞こえてしまうようでより殴られた。