それいけヒーロー部

「…つまり、今日何が行われるのか、海先輩たちは把握していたということですね。あたしはおとりにされたと。」


「理解が早いね。」


「今日のメンバーは、この前お前が孝則たちから聞き出したリストに入っている3年。女子と余計な2年も釣れたのはラッキーだったな。」



「で、可愛い可愛い後輩をおとりにしてまで捕まえたかった人たちを、海先輩たちが直々に制裁しなくてよかったんですか?」


「そりゃあ、本心を言えばタコ殴りにしたかったけどさ、それを一番したいのはオレたちじゃなくて壮志だろ。」



「それに、あいつらが法を犯してるってことを一番実感できる方法の方がいいと思ってね。

風紀と生徒会が正常に機能している今、オレたちには力による制裁以外の選択肢もある。3年の2学期がもう終わるこの時期、今問題が明るみになって今後の人生左右される方があの人たちにとって一番ダメージが大きいんじゃないのかなって。」



笑顔でそう言ってのけた葛西先輩は後ろに黒いオーラをまとっているように見えた。あれは魔王だ。


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