それいけヒーロー部
マリリンの考察をしていたら、いつの間にか授業が終わっていた。
前半は睡魔との戦い、後半はマリリン考察、結果ノートは解読不可な暗号以降真っ白である。
「マリリン、ノート見せてください。」
「は?お前今日はちゃんと起きてただろ。」
「マリリンのこと考えてたら授業終わってた。」
「……なんだそれ。ほら、さっさと写せ。映画行くんだろ?」
「うん。ありがと。」
謎の線は消しゴムさんに消してもらい、マリリンのきれいな字で書かれたノートを写していく。
男子ってこんなにきれいに字を書けるものだったのな。
中学まであたしのまわりにいた男子は100%の確率で字が汚かったぞ。
「あ、マリリン、あたしのあいポンの電源つけてくれる?」
「いいけど、なんで電源切ってんの?」
「授業の前になんか嫌がらせメッセージが届いてさ、思わず電源落としちゃったの。」
「…あいつら?」
「うん、そう。」
マリリンが慣れた手つきで電源を入れ、パスワードまで入力してホーム画面をチェックする。
マリリンはあたしのパスワードを知っていて、あたしもマリリンのパスワードを知っている。
なにがきっかけだったかは忘れたが、お互いに知っていてもなんら問題がなかったので、知られたあともパスワードを変更することはなかっただけのことだ。
「うわ、なんかいっぱい来てるぞ。」
そういって見せられたLINEの画面。
赤い丸には52と白字で書かれている。
ちょっと引いた。