それいけヒーロー部
「マリリンたちも知ってたの?今日の一連の流れ。」
「オレと江橋は知らされてなかった。」
「というか、知ってたらくるみの事一人で歩かせない。」
「そういうこと。こいつら、お前にあまあまだから、教えなかった。黙って見てろって言っても絶対に無理だからな。特に江橋。」
そう言ってマリリンの頬っぺたをツンツンする海先輩は本当に怖いものなしだなぁなんて考える余裕はあるみたいだ。
「マリリン、心配かけてごめんね。」
「…くるみも知らなかったんだから、仕方ない。とりあえず手当するから痛いとこ見せて。」
てきぱきと湿布や氷嚢を準備するマリリンが天使。ただの天使。
「海先輩、天使はここにいた。」
「唐突にアホになるなよアホ。」
黙って天使の治療を受けていると、放送で風紀室に来いと呼び出された。
「ほら、風紀委員長様がお呼びだぞ。早く言って尋問されてこい。」
「あ、そういえば、隠密部隊の陣野くんについてはどうしたらいいんです?たぶん一緒に確保されたと思うんですけど。」
「あぁ、それはお前がなんとかしといて。」
「え!そんな感じなんですか!あたしの責任重大過ぎません?!」
「大丈夫大丈夫。あいつ一応脅されて見張りしてたってことになってるから。」
「あとはお前の口の軽さでなんとか助けてやってやれ。」
こんな緩い作戦の二人によく陣野くんは乗ってくれるよな…あたしでなんとかできなかったらどうしてくれるって言うんだ。
「ほれ、早く行って陣野お姫様を救出してやってくれよヒーロー。」
「あんないかついお姫様嫌だなぁ。」