それいけヒーロー部
仕方なくお姫様救出のために風紀室に入ると、委員長がいた。
「三上先輩、こんにちは。」
「…普通に委員長と呼んでもらった方がいい。」
「三上委員長、こんにちは。」
折角名前覚えたから使いたいだけです。
「手当はしてもらったんだな。」
「はい、そんなに思いっきり殴られたわけではないので、大丈夫です。」
「…結構殴られたんじゃないのか?」
「あー、ほら、海先輩との特訓のおかげで丈夫なんです。」
「殴られたのは確かだろ。」
「まぁ、それはそうですね。数か所思いっきり殴られました。」
これはすでに尋問が始まっているんだろう。
あの先輩たちのためにも本当のことを包み隠さずお話ししてあげよう。
「詳しく話してくれ。」
ついてこいと言われたところから、馬と大仏に救出されるまでのお話しを事細かにお話ししているとお姫様陣野くんと小竹丸が風紀室に入ってきた。
「委員長、お話し中すみません。どうやらこの生徒が生徒会の駒井くんに連絡をしてくれて、そこからヒーロー部と風紀に連絡が回ったようです。」
陣野くん、いつの間に駒井くんの連絡先なんてゲットしてたの。
そんでもっていつの間に連絡なんてしてたの。
「あ、そうだ。これ、返す。さっきは悪かったな。」
そう言って差し出されたのはあたしの大事なあいぽん。
そういえば隠密陣野くんに預けていたんだった。
「あ、ありがとう。」
「君、1年の陣野だな。なんで生徒会に連絡したんだ。あいつらの仲間じゃないのか。」
「オレ、あの先輩たちに脅されてて…オレも、髪の色派手だったから悪いんすけど目を付けられちゃってて…で、今日も1年の女子を囲んでリンチするから見張りやれって言われたんですけど、大事になったらどうしようって思って、連絡しました。
前の放送で生徒会とヒーロー部がつながりあるのは知ってたし、助けてもらえると思って。すみません、オレがもっと早く勇気出してあの人たちの事止めれたら、怪我させることもなかったのに、オレ、できなくて…」