それいけヒーロー部
「なんて書いてある?」
「俺が見てもいいの?」
「別に平気でしょ、マリリンはもう知ってるんだから。」
あの4人とのグループLINEなんて、『お腹すいた』とか『ねむい』とか大した内容は書かれていない。
本当にただただ迷惑である。
そんなものは青い鳥アプリに聞いてもらえってんだ。
「あー、…なんかお前の写真ばらまかれてるぞ。」
「はぁ?!」
なんでそうなった?誰がなんであたしの写真なんてもってんの?!
トーク画面を順に追っていくと、あたしが『いやです』と返信したあと、
『ダメ』とか
『絶対来い』とか
『来ないと写真ばらまく』とか
『え、写真ってなに?見たい!』とか
『これくるみが小1のとき』とか
『わー浴衣かわいいねえー!お祭り?』
『これは夏、海に行ったとき』
『くるみ変わってないね。』
『これキャンプのとき、小3くらい』
『泣いてるし!』
『オレがカエル投げつけたら泣いた』
『ひどいww』
………と言った感じに、延々とあたしの写真とそれの説明がトーク画面を埋め尽くしていた。
「これなんて羞恥プレイ…」
埋まれる。
あたし今なら恥ずかしすぎて地中深く埋まれる。
「…なんで大文字先輩はこんなにお前の写真持ってるわけ?」
「…知らないよ。確かに小学生のときは家族ぐるみで遊びに行ってたけど、あたしの知らない写真ばっかなんだけど。」
「……オレにiPhoneかせ。」
「は?なんで?」
「いいから。ほれ。」
促されるままマリリンにあいポンを渡すと無言でなにか操作している。
「どしたの?」
「ん?べつに?」
…怪しすぎるよマリリン。