それいけヒーロー部

「朝の続きなんだけどさ。」


そう言って話し始めた仁先輩。あたしの秘密についての話ね。




「オレたちこの前聞いたんだよね。くるみちゃんがあの噂の覆面ヒーロー部の中にいるって。」



「あぁ、そのことですか。」



「…くるみちゃんって、あいつらの一員なの?」


「はい。そうですけど。スパイダーはあたしです。」




なぜか神妙に尋ねてくる仁先輩にあっけらかんと答えると仁先輩は拍子抜けしたような顔になった。





「…………あれ?」
「んん??」




二人で一緒に首を捻る。





「……くるみ、お前そればれちゃいけないことだったんじゃねぇの?秘密結社なんだろ?」



そこで黙々と弁当を食べていたマリリンの一言。



「あ、そっか!秘密なんだった!」




そう言えば最初の方にそんなことを言われてた気がする。


覆面の中身を見られてはいけないみたいな。

入会時あまりにバタバタしていたから完全に忘れてた。




「というか背格好とか声とかでみんな知っているものだと思ってました。」


制服姿に覆面被っただけじゃ簡単にばれると思うんだけど、違うのだろうか。




「いや、お前らの活動って結構影の活動だし、あんまり人前に現れないから本当にいるのかいないのか分からないレベルらしいぞ。」


「そうなんだ?でもマリリン最初からなんか知ってる風じゃなかった?」


「噂では聞いたことあるってくらい。」


「ふーん。あぁ、そう言えばいつも制裁相手には口止めするわ。オレたちの情報少しでも流したらお前らのやってたこと全部学校にばらすぞって。」


「それって脅はk「なにか?」


「いえ。なにも。」


「だからあんなに派手に動いても何も言われないのかー。」


「……牧村、そんなのんきなこと言ってられないぞ。」




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