それいけヒーロー部
「ちょっと返してくれません?」
現在かっちゃん先輩の手の上にあるあいポンを取ろうとすると、あたしより先にマリリンの手が伸びる。
「マリリン?」
「まぁちょっと落ちつけよ。」
あたしは十分に落ちついていますけど何か問題でも?
マリリンが腕を目一杯上に伸ばすとあたしの身長では届かなくなる。
マリリン無駄にデカいもんなあ。
「マリリン、あたしのあいポンさんになんかしたでしょ。」
「なにも?」
「じゃあ返しなさい。」
「それは無理な相談だ。」
「返さないとおやつのパン食ってやる。」
「それはダメ。」
「我が儘マリリン!」
「……お前らいちゃつくのもほどほどにしろよ。」
これのどこがいちゃついているように見えようか、いや見えまい。
「マリリン、今渡せば怒らないから返しなさい。」
そう言うと一瞬緩んだマリリンのガード。
その隙を見逃さず肩を掴み腕ごと強制的におろさせる。
そこまでくるともう観念したのかマリリンも力を抜いたのであいポンを奪還した。
「……マリリン、あたしこれ保存した記憶ないんだけど。」
「そりゃそうだろ。オレが保存したんだから。」
「保存してどうしたのよ。」
「オレのに送信した。」
「いや、なんでだよ!いらないでしょこんな写真!」
しかも履歴に残らないように削除までしているとは。この間あたしのあいポン奪ってコソコソしてたのはこれだったのか。
「…はっ まさかマリリンもこの写真を脅迫の材料に使おうとか考えてんだろ!その手には乗らないからな!」