それいけヒーロー部

ヒーロー部とは


教室に戻ると銀次郎があたしの席にお座りしていた。



「くるみ、先輩たちがお怒りだよ。」



銀次郎の雰囲気もいつもと違ってとげとげしていた。

さすがに蔑ろにし過ぎたか。




「……はぁ。マリリン、ちょっと行ってくるからノートよろしくね。」


「そんなん頼まれなくてもいつも取ってんだろ。ちゃんと仲直りしてこいよ。」




ポンポンと頭を一撫でしてマリリンは席につく。


反対に銀次郎は席を立ってあたしの腕をつかんだ。



「銀次郎、あたし逃げないけど?」


「もうくるみの言い分は聞きません。そしてオレの名前は文彦です。」




プンプンと音が聞こえてきそうなくらい怒っている銀次郎。


犬の銀次郎も構ってもらえないと拗ねてプンプンするんだよな。

そしてなかなか機嫌を直してくれない。




その状態のまま本部である華道部部室に入ると、他の3人も勢ぞろいしていた。



「…やっときたな。」




海の一言で葛西先輩が顔を上げる。

その顔は怒っているというより疲れている感じだ。



「くるみ。今まで何をしていたの?」


「他の先輩とご飯食べてました。」


「それって、勝也先輩と太郎先輩と仁先輩だろ?」




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