それいけヒーロー部
「自分たちの主張が信じてもらえなくて、ウソの証言を信じる教師にそいつはうんざりしたって言ってた。だからこんな学校こっちから辞めてやるって。
今は工事現場で働きながら勉強もしてる。高卒認定取って大学いってやるってがんばってるよ。」
そんな人がいたなんて。
本当に学校を辞めなければいけない人が他にいる理不尽な退学なのに、きっぱり割り切って自分の道を自分で歩いている。
単純にかっこいいと思ってしまった。
もちろん相手をぶっ飛ばしちゃったのはいけなかったが、加害者をとめるための方法として実力行使が必要な時もある。
「じゃあ、先輩達はその辞めちゃった先輩のために今の活動を始めたってことですね。」
「うーん。まぁそうかな。というか単純にムカついたんだよね、海。」
「そうだな。真面目なやつが裏で悪事働いてることにもそれを見抜けない教師にもムカついて、どうにかすっかってなったんだよな。
もういっそオレらで全部ぶっ飛ばしてやるかって。」
「そうそう。でも顏ばれたらオレたちもいろいろ言われて退学コースだなって思って顔隠したんだ。」
「オレたちも一応暴力がいけないことだってことくらいは分かってんだよ。でもやっぱ力にはそれ以上の力で対応しないとな。
特に影で弱い者いじめしてるような陰湿な奴らには絶対的な力を見せつけなきゃ何回でも繰り返すからな。」
「…でも海先輩の力じゃどう頑張ってもやりすぎになりません?」
「オレだって手加減してるわ。本気でやったら相手が病院に行くことになっちまうだろ。」
「…それならいいですけど。」