それいけヒーロー部

「なんであたしたち一年も混ぜようと思ったんですか?」


「あ?そんなのオレたち2人が卒業した後にもとに戻ったら意味ねぇからだろ。後継者ってやつだな。」



「後継者って…」


「これはオレが提案したんだ。絶対にこの学校は同じことを繰り返すだろうから、抑止力になる存在は必要だって思って。

噂だろうとなんだろうと悪いことしたら制裁されるっていう意識があれば思い切ったことはなかなかできなくなるんだよ。

でも噂だけじゃそのうち薄れるだろ?だからちゃんと活動の意味を理解して受け継いでくれる奴を探した。」





話によれば、銀次郎と陣野くんはリンチ現場に居合わせた時に加害者をぶっ飛ばしていたからスカウトされたらしい。


そう言えばあたしも話を持ちかけられたとき先輩達のことぶっ飛ばしてたな…




「そういうことでこの活動の存在理由はわかったかい?」



「…わかりました。話してくれてありがとうございました。」



顔がばれちゃいけない理由もわかった。

あたしも普段の授業態度が良いものとは言えないし、銀次郎や陣野くんも明らかに教師に目をつけられるような容姿をしている。葛西先輩も。




「髪染めて真面目な恰好になる気はなかったんですか?」


そうすれば少しくらいは教師も話を聞くんじゃないだろうか。




「そんなの相手に合わせてるみたいでダセェだろ。」


「海先輩は大人しくしてれば真面目に見えますよ?」


「オレが大人しくできると思ってんのかお前。」




ですよね思ってませんとも。



「じゃあ逆に髪染めたりはしないんすか?」


「似合わなかった。」


「その童顔じゃ似合うわけないですね。」


「殴るぞお前。」




本心を言ったまでよ。





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