それいけヒーロー部
顎に不意打ちの一撃をくらって倒れた先輩以外の人たちは、突然のことに何が起きたのか把握できていない様子。
復活するのを待つのもかったるいので、被害者の先輩の元に近づき、手を引く。
すると、はじかれたように加害者の残り二人も動き出した。
口々に暴言を吐き、近づいてくるのでそれぞれに急所を数箇所攻撃してあげた。
人体の急所とは結構たくさんあるもので、ひとつ守ろうとそれ以外の急所を突けばなんてことはない、相手は簡単に倒れる。
これはスポーツでもなければ武道でもない。
ルールなんてものは初めから存在しない。
不意打ちだまし討ち何でもござれ。
うめき声をあげて倒れる二人。
先輩相手にやっちまった感はあるが、何か言われたらこれは正当防衛だと言い張ろう。
一応地面に転がっている3人の写メを取っておく。
口止めしなきゃいけないから、材料として使わせてもらおう。
「あの、」
「あ、先輩、すみませんね、でしゃばっちゃって。大丈夫ですか?」
「あ、いや、助けてくれてありがとう。」
「怪我とかしてないですか?…………って、なにやってんですか?あなたたち」
被害者先輩の手を引いて校舎の方を振り返ると……
そこには覆面の4人組がいました。