それいけヒーロー部



「お前、連絡もよこさねーで何してたんだよ。」



「副会長が説明してくれたでしょ?副会長が困っていたから人助けしてあげてただけよん。」



「……本当にか?」



「マリリンってば疑り深いんだからー。あたしだって人助けくらいしますよ?」



あの後教室に向かったわけだが、副会長も一緒についてきて怒れる担任にしっかりと誤魔化してくれた。



さすが生徒会というだけあって、教師からの信頼は絶大だ。




ころっと騙される担任に、この前の葛西先輩と海先輩の話が真実味を帯びる。


人間とは真面目そうな外見の人間にあっさりと騙される。



だがマリリンはそう簡単にはいかないようだ。





「副会長ってこの前仁先輩が言ってた沼田って人だろ。」


「そうそう、話してみたら意外といい人だったよ。いい人ってか普通の人?」


「…外見だけの話じゃねえの?」


「話してみたらって言ったっしょ?普通の人のようだったのでお手伝いしてきたのさ。」



「本当に何もないんだな?」



「ないよ。平気。」




マリリンったら本当にあたしの言うことやることに信用ないんだから。


いまだに疑いの目をこちらに向けるマリリンにニッコリ笑ってやると、ため息をつきながら仕方なくといった様子で視線を外すマリリン。





「…話せることあるなら、少しでもちゃんと言っとけよ。じゃないとなんかあった時に助けられねえ。」



「マリリン、これ以上男前になってどうするつもりなのあなた。惚れるわ馬鹿。」



「じゃあ素直に惚れとけ馬鹿。」




わしわしと頭をなでてくれるマリリンに心配はかけられない。


別にまだ何をしたわけでもないし、何をされたわけでもない。






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