それいけヒーロー部
かっちゃん先輩に頭をゴリゴリされた。
地味に痛い攻撃である。
「お前ね、よくよく考えもしないであいつに協力するとか言ったんだろ?
あいつがお前との約束破るとかは考えてないべ?もしお前以外の奴が生徒会に捕まったあと、お前がやってたこと全部ばらしたらそれこそお前最悪だぞ?
ヒーロー部の奴らには裏切り者として見られるし、全校生にはヒーロー部の奴として標的にされるかもだし、生徒会とか風紀にもなんかされるかもだし……」
「かっちゃん先輩って見た目に寄らず心配性ですよね。」
「くるみちゃん、ふざけてる場合じゃないと思うけど?」
「仁先輩、ふざけてないですよ。それに、考えなしでもないです。」
あたしだってちゃんと考えていることはある。
「あたし、こんなんでもヒーロー部の一員なんで、悪には決して屈しないですよ?それに、あたしにはこんなに心強い味方がいますからね。」
「…考えてるって言うけど、じゃあここから先どうするつもり?」
「タロー先輩、敵と戦うにはまず、情報収集ですよ。」
今、あたしの知っている情報と言えば、ヒーロー部の成り立ちのきっかけとなった事件とこの学校の現状。
そしてマリリンとこの3人の先輩が味方になってくれるだろうということ。
「あ、ちゃんと確認してなかったんですけど、先輩方は、あたしの戦いに巻き込まれてくれる気はありますか?」
「……もうだいぶ巻き込まれてるだろ。」
「いまさら確認されてもね?」
「くるみちゃん、それって愚問だよ?」
「ふふ ありがとうございます!」