それいけヒーロー部
「もういいから顔あげろよ。オレらも誤解させるような態度だったわけだし。」
「いえ。これはもうあたしが事情を知りもせずに首を突っ込んだのが悪いんです。本当にすみませんでした!!」
あたしも他の人と一緒じゃないか。
一目見ただけの判断で先輩たちに手を挙げて、本当の被害者は先輩たちだったのに!!
「そんなへこむなよ牧村。あーお前にやられた鳩尾が痛む。」
「くるみちゃんに回し蹴りされた背中が痛むけど本当に気にしないで!」
「太郎も仁もやめたれよ。牧村、お前にかち上げられた顎が痛いけど許してやるからさ。」
「ごめんなさいーーーーー!!」
わははと笑ってくれる先輩たちは、とても心が広い人たちなんだと思う。
理不尽に伸されたのだ、もっと怒ってもいいのに。
なんでこんなひどい間違いを犯したあたしを気にかけてくれるのか。
味方だと言ってくれるのか。
「お、おい!ごめん、ふざけただけだから!もう痛くなんてないから!泣くなよ!!」
「泣いてないっす。」
「いや思いっきり泣いてるから!」
「どうした?お腹痛いか?」
「泣いてないっす!!」
「くるみ、ちゃんと言わないとわかんねえぞ。」
「あ、あの、あたしがやってしまったことを、取り消すことはできないんですが、償うためにもがんばって敵と戦うので、あの、味方になってくれてありがとうございます。」
「支離滅裂だな!」
「通訳すると、すみませんでした、許してくれて味方になってくれてありがとうございます、頑張ります。です。」
「そうです!」
「江橋すげえ。」
「マリリンですから!」
「くるみ、顔拭け。」
「ティッシュない。」
「…しゃあねえなこの幼稚園児。」
「とか言いつつ袖で涙を拭いてくれるマリリンまじハイスペック。」
「お前らもう付き合えよ。」