それいけヒーロー部


実際には、沼田先輩が何者なのかを知ったのは生徒会室に連れていかれた後なので、仕方ないことだったという言い訳はできる。



でも沼田先輩注意報はかっちゃん先輩に受けていたので、そこは回避しようと思えばできた部分。



今回は海先輩の言葉をちゃんと受け止めよう。





「以後気をつけます。」



「特に生徒会、風紀には注意だからな。」


「わかりました。」




そしてこれからの話をした。


あたしはここの情報を売らなければいけない。

つまり、この華道部部室はもう本部としては使わない方がいいだろう。



ただ、向こうを欺くダミーとしては有効に使えると思う。




「もともとオレたちの活動は本部をもたなくても、連絡をしあえばなんとかやっていけるものだから、ここは切り捨てて大丈夫だろう。」



「リークする情報が全て真実である必要もねえな。

向こうもお前の事をどれだけ信用しているか知らねえが、お前が言ったことはダメ元でも調べるだろうな。」



「被り物も新しいのに変えますか?」




「その方がいいな。現場に向かう人数もその時によって変えていく。正確な情報はつかめないようにするぞ。」




あたしが口を挟む隙もなくどんどん話が決まっていく。


こういう時の海先輩はかなり頼もしい。



昔からそうだ、海先輩はここぞと言うときに先頭に立ち、みんなを導いていく力がある人。


あたしはいつもその横でそのカリスマ性に導かれていた。





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