それいけヒーロー部
「今後の動きとしては、オレたちは生徒会に捕まんねえように活動を続ける。
くるみは副会長に形だけ従え。オレたちの情報はある程度流していい。
ただし、根っこは掴ませんな。お前は新入りでまだ内情を知らされていないってことにしておけ。
常に集まる時は覆面つけてて個人の特定は無理。連絡方法はオレと文彦からのLINEのみ。
iPhoneからオレと文彦以外のメンバーのアドレス、番号、履歴まで全部消すこと。もちろんグループからも抜けろ。
あと、当たり前だけど、お前がこの話をオレたちに伝えたこともなかったことにしろよ。
覚えたか?」
「オッケーです。」
「海先輩、オレのは消さなくていいんすか?」
「お前最近くるみの教室出入りしてんだろ?なら急に姿消したら不自然だから友だちってことで残った方がいい。
なんか緊急の時の連絡手段にも使えるからな。オレは幼馴染ってことで押し通す。」
「なるほど。了解っす。」
海先輩の独断のようにも見えるが、葛西先輩や銀次郎、陣野くんも異論はないようだ。
「江橋はこのこと知ってる?」
「あ、はい。言っていなかったんですが、マリリンとかっちゃん先輩、タロー先輩、仁先輩はあたしの味方に付いてくれました。」
「そりゃ心強いな。いざとなったら頼れる。」
「あと、かっちゃん先輩に話しを聞いたんですが、前に副会長を囲んでいたのは、風紀委員が万引きをしてそれをかっちゃん先輩に擦り付けたことが関係しているそうです。」
「また風紀か…」
「単純に考えて要注意は生徒会より風紀だな。」
「あたしは沼田先輩に付いて、他の生徒会とか風紀にも探り入れます。」
「お前の判断でいいが、無茶はすんなよ。」
「大丈夫っす。うまくやりますから。」
「じゃあくるみはこっちの活動には参加できなくなるってことっすか?」
「いや、そんなことしたらくるみがオレたちに怪しまれることになると考えれば、普通に参加できるだろ。
だから情報のやり取りとかはそんなに難しくない。」
「それも踏まえて沼田先輩と、ヒーロー部捕獲作戦会議してきますわ。」