それいけヒーロー部
マリリンからの連絡内容を簡単にまとめると、部活を切り上げるからまだ学校にいるなら一緒に帰ろうというお誘いだった。
マリリンったら本当にくるみちゃんの事大好きなんだから。
くるみちゃんもマリリン大好きですけどね。
「君らの電話っていつもそんな感じなの?」
「そうですけど何か問題でもあります?」
「いや、くるみちゃんの方だけ一方的に聞いてるとただのバカップルなんだけど。」
「マリリンへの愛であふれてますからね。というか、マリリンが来てくれるので副会長は生徒会室にお戻りくださいませ。」
「その通りですよ副会長。忙しいからくるみに手伝い頼んだんすよね?忙しい人はさっさと戻って仕事したらどうなんすか。」
「あらマリリン早かったね。部活ご苦労様。」
あたしの背後から颯爽と登場してひょろ黒先輩が掴んでいたあたしのお手てを救出した流れで手を繋いでくるマリリンまじでかっこよすぎか。
「ん。くるみ、帰ろ。」
「え、ちょ、彼氏の前で随分堂々とやってくれるね江橋。」
「いやでも結局のとこ付き合ってないんっすよね?それに例え仮だとしてもくるみに触んないでほしいんで。」
「やべぇマリリンのかっこよさがとどまることを知らない。惚れてまうやろ。」
「お前も馬鹿なことばっかしてっからこんな腹黒そうな奴に目ぇつけられんだよ。」
「やはり気付いたか。この腹黒さに。」
「いやオレ腹黒くないから。くるみちゃんが勝手に言ってるだけだからね。というか江橋が強敵過ぎて倒せる気がしないんだけど。」
「倒れませんから。ほら、くるみ帰るぞ。」
「おーう。今日はいっぱい働いたから疲れたぜー」
マリリンと繋いだ手はそのままに引っ張られる。
もちろんあたしの足は抵抗することなく素直について行く。
その後ろでひょろ黒先輩が何か言っていたような気がするが、聞こえてないから何も言ってないと言うことにしても構わないだろう。