それいけヒーロー部
勘違い
「くるみ、昨日生徒会室行ったんだって?どうだった?オレ生徒会室って入ったことない。」
翌日、銀次郎がいつものごとく教室に突入してきたため、昨日の活動報告を行う。
よく考えれば昨日のあたしは敵陣の本丸に堂々と侵入していたんじゃないか!
そこまで考えてなかった!
「とりあえずおせんべいがおいしかった。」
「それたぶん一番いらない情報だと思うんだけど違うかな。」
「その通りですはい。なんかイメージしてたのと違って普通に仲良しって感じ。生徒会ってもっと殺伐としてるものなのかと思ってた。」
副会長も腹黒さは出てたけどだからと言ってこっちを貶めようって意志は見られなかったよな。
というかこっちに関する質問とか一切なくて、探り入れてる感じもなかった。
生徒会のメンバーがこっちについてどこまで知ってるのかわかんないけど、もしかすると副会長の独断で動いてるのかもしれない。
昨日のあの短い関わりだけでどこまでが本当なのかを判断するのは早いけど、見た感じでは羽島会長は白。
もちろんこんな話を教室で堂々とするわけにもいかないから詳細報告は後ほどだ。
「昨日は本当にただただ生徒会の仕事手伝うだけで終ったの?」
「うん。そんな感じ。」
「お前、副会長と付き合うだなんだの話してたよな。」
「うん。うざかった。」
「付き合う?!くるみ、副会長と付き合うの?」
「銀次郎声でかいうるさい。付き合うわけないでしょ。」