それいけヒーロー部
「…ということがあったのさ。本当ならば余裕で間に合ってたのに」
教室につくと朝のHRが始まっていたが、遅刻扱いにはなっていなくてびっくり。
マリリンったらどんな手を使ったのだろうか。
そしてHRの後、一限目が始まる前にマリリンに事の顛末をお話する。
男のくせにサラサラの黒くて長い髪を後ろで一つにくくり、切れ長のおめめはいつもと同じように眠そうにあたしを見ている。
口元にセクシーな黒子があって、それを見た時に思わず「マリリンモンロー!」と言ってしまったため、それ以降彼はあたしの中でマリリンになった。
しかもよくよく見比べてみるとマリリンモンローの黒子の位置からは結構ずれていて、マリリンでもなんでもなかったんだけど、なぜかしっくりきてしまったので修正する気もなくなった。
「お前、それって2組の野間沢と陣野だろ。なんであいつらが…」
「あ、そうそうそんな名前の人だった気がする。2組の不良くんたち」
4人組の中の知っている顔は隣のクラスの野間沢くんと陣野くん。
ちょっと髪の色が金色だったり、耳に大量に穴をあけていたり、学校の備品で遊んだりで、先生の要チェックを受けている二人。
きっと「チョーかっこいい」とか言ってたのが野間沢くんだろう。
彼、なんとなくあほっぽいし。