それいけヒーロー部
「で、結局なんの用事なの?沼田君に待ってろとか言われたの?」
「いやそれがですね、驚くことにおせんべいを食べたい気持ちしかないんですよこれが。」
「それは驚きだな。お前のせんべいへの愛がそれほどのものとは…」
「ということなので、なんか雑用するんでおせんべいください。」
「潔すぎかよ…」
今この生徒会室内には腹黒副会長以外の人たちがそろっている。
このチャンスを無駄にしたら海先輩に殴られること確定だ。
「まぁいいや、じゃあこの冊子をクラス人数分プラス1で分けていってくれる?そこに人数の表と付箋もあるから。
付箋にはクラス名と人数書いて分けたやつに貼っといて。」
「大量……」
「そりゃ全校生分だからね。じゃ、よろしく。」
ハム先輩に渡された山。
生徒会ってこんな仕事もするのか…。
「わたしもやりますよ。」
「角田さん…!ありがとうございます!女神!」
大量の冊子の前で呆けていると庶務のメガネ女子角田さんが来てくれた!
昨日は全然お話できなかったけれど、隣のクラスだし仲よくしたいなと思っていたんですよ。
「…大げさですよ。というか本来はわたしの仕事ですからお礼を言うのはわたしの方です。昨日も今日もありがとうございます。」
細めのブルーフレームのメガネの奥の二重の少し吊り上がり気味な目が、優しく細められた。
…角田さんはリアルに女神様でした。