それいけヒーロー部

「会長は、なんで副会長が襲われていたか知ってます?」



「勝也先輩たちだろ?万引きしたらしいな。それを問い詰めたらやられたって言ってた。」



「その先輩って三年の金髪の怖そうな人ですよね。」




…そこは間違った情報が伝わっているのか。


会長やハム先輩、女神角田さんの顔を見る限りでは本当にかっちゃん先輩がやったと思っているようだ。



さて、ここからどうするか。




この好機に生徒会とあたしの関係をはっきりさせたい。

敵か味方か…




「あ、あの、オレ勝也先輩と同じ中学なんすけど、勝也先輩って万引きとかするような人じゃないと思うんすけど…」




そこで口を開いたのは、今まで物静かにしていたクマのような男駒井くんだ。




「あれ、駒井と勝也先輩ってそうだっけか。」


「はい。しかも同じ部活で直の先輩だったんで結構知ってるんです。

勝也先輩って口悪いし人相悪いですけど、人に迷惑な事はしないし、曲がったことは嫌いな人でした。」



「へー、そうなんだぁ。でもそれならあんな目立つ格好しなければいいのにね。」



「髪染めたり、服装がだらしなかったりするのは似合ってるからいいんだそうです。ケンカは売られたら買うと言ってました。」




なんだかかっちゃん先輩らしいなぁ。


かっちゃん先輩の中で、この間の腹黒副会長とのやりとりはケンカを売られたってことになってるんだろう。



「でもそれって中学での話でしょ?高校に入って新妻先輩とか守屋先輩とつるんで変わったのかもよ。」



「ハム先輩。新妻と守屋って誰ですか?」



「新妻太郎と守屋仁。戸田先輩とつるんでる2人よ。」


「あぁ、タロー先輩と仁先輩。」



「あれ、牧村は二人のこと知ってるのか?」


「知ってるも何も、かっちゃん先輩、タロー先輩、仁先輩の三人はあたしの大切な先輩方ですから。

ちょっと今の駒井くんの話に付け加えて、あたしが知っていることを生徒会のみなさんに話してもいいですか?」



ここで生徒会の認識を改めて、味方に引き込もうか。





< 94 / 344 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop