それいけヒーロー部


「…オレは、牧村の言っていることを信じる。」


「あたしも。」



先輩お二方はやはり信じる根拠となるなにかを知っているんだろう。


じゃないと風紀が万引きしたなんて話、簡単に信じるとか言えないからな。




「風紀の人が万引きだなんて、何かの間違いじゃ…」



「勝也先輩は万引きなんてちゃっちいことしないってわかってますけど、風紀が相手となると、はいそうですかとは信じられないっすよね。

…先輩たちは信じられるだけの何かを知ってるんですか?」




クマ駒井くんったらなんて素敵なアシストなの!

この子できる子!




「あたしも知りたいです。

さっきから先輩たちは何をそわそわしているんですか?」




クマ駒井くんとあたしの言葉に、一瞬目を合わせた先輩たち。



もしかすると、この人たちは沼田先輩サイドなのかもしれない。


つまり、あたしとは敵の裏生徒会。

あたしに情報を横流しさせてヒーロー部を捕まえようとする人。



反応を見た感じでは駒井くんと角田さんは本当に何も知らない様子だ。





「沼田も含めたオレたち三人は…」


「ちょ、羽島!それ言っていいの?」


「…牧村は沼田が連れてきたんだ。ある程度の事情も把握しているみたいだし、こちらに引き入れた方がいい。」


「でも、沼田くんにも確認した方がいいんじゃ…」


「牧村がここに来た時点で連絡はしてある。話しの流れ次第では本当のことを話すとも言った。

あいつもそれを了承した。」





…やっぱり読み通りか。






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