それいけヒーロー部
「先輩たちはあたしが何で生徒会に関わるようになったのか、その要因を知っていると仮定していいですね?」
「…察しがいいな。まぁ、牧村からしたら敵陣に乗り込んでいるような状態だもんな。
きっとそのとぼけた顔の裏でいろいろ考えてんだろ?」
「…とぼけた顔とは失礼な。この凛々しい顔にケチつけないでくださいよ。」
「話がそれるから余計なおふざけ止めよう。
牧村、オレたちはお前の話を信じる。そんで力を貸してほしいと思っている。」
まっすぐにこちらを射抜く会長の視線は嘘を言っているようには思えない。
「そこでだ、お前の信頼を得るためにお前には本当のことを話しておく。
信じるかどうかはお前の判断に任せる。」
きっとこの人たちはとても賢い人だ。
あたしを欺くつもりならば、あたしが副会長の話を振った時点でどうにでも誤魔化すことができたはず。
それをしなかったってことは、本格的にあたしを取り込もうということなんだろう。
駒井くんと角田さんが事情を知らない様子からして、このタイミングで二人の事も裏の活動に参加させるつもりと言ったところか。
「あたしは裏に参加するって沼田先輩に言ってありますけど。
それってつまり会長たちとはもはや仲間みたいなものではないんですか?」
ここでの発言は間違えられない。
「…それもそうだな。駒井、角田。お前らも巻き込まれるつもりならちゃんと聞いとけ。
ま、ここまで聞いてやっぱ降りますって言われても許可できないんだけどな。」