おふたり日和 ―同期と秘密のルームシェア―
トラが作る料理は、私が作る和風な家庭料理と正反対で、おしゃれなカフェレストランのメニューみたいなものが多い。
しかも、味付けのクオリティーが半端なく本格的なのだ。
頭がよくて要領もいい人って、たいがい料理も上手なんだよね。
「あー、ほんとおいしい。トラ、天才!」
食事を終えて、満腹になったお腹をさすりながら言うと、トラがにいっと笑った。
「ふふん、俺に惚れるなよ?」
「あ、その心配は御無用です」
間髪いれずに答えると、トラが「へいへい、分かってますとも」と肩をすくめた。
「お前の好みのタイプって、つくづく俺と正反対だもんなあ」
「よく分かってんじゃん。まあ、私もトラのタイプの女じゃないしね」
「つうか、そうじゃないと男女ふたりでルームシェアなんて、絶対できないもんな」
「おっしゃるとおり」
そうなんです。
トラは私の好みの男性像とは全然ちがうし、トラのタイプの女の子と私も正反対。
だから私たちは、相手に恋愛感情などを抱いてしまう心配もなく、何の問題もなく、一緒に暮らすことができているのだ。
「あ、あのドラマ始まるよ」
壁にかかった時計を見て私が言うと、トラが「おう」と答えてテレビの電源を入れた。
しかも、味付けのクオリティーが半端なく本格的なのだ。
頭がよくて要領もいい人って、たいがい料理も上手なんだよね。
「あー、ほんとおいしい。トラ、天才!」
食事を終えて、満腹になったお腹をさすりながら言うと、トラがにいっと笑った。
「ふふん、俺に惚れるなよ?」
「あ、その心配は御無用です」
間髪いれずに答えると、トラが「へいへい、分かってますとも」と肩をすくめた。
「お前の好みのタイプって、つくづく俺と正反対だもんなあ」
「よく分かってんじゃん。まあ、私もトラのタイプの女じゃないしね」
「つうか、そうじゃないと男女ふたりでルームシェアなんて、絶対できないもんな」
「おっしゃるとおり」
そうなんです。
トラは私の好みの男性像とは全然ちがうし、トラのタイプの女の子と私も正反対。
だから私たちは、相手に恋愛感情などを抱いてしまう心配もなく、何の問題もなく、一緒に暮らすことができているのだ。
「あ、あのドラマ始まるよ」
壁にかかった時計を見て私が言うと、トラが「おう」と答えてテレビの電源を入れた。