おふたり日和 ―同期と秘密のルームシェア―
「………それって、つまり、そのトラとかいう同期くんのこと、好きなんじゃないの?」
デザートに運ばれてきたパンナコッタをスプーンですくい、香苗が私の顔色を窺うように覗きこんでくる。
私はぷっと噴き出して、さっきの香苗と同じように「ないない、ありえない!」と手を振った。
「だって、トラは全然私のタイプとちがうもん。トラの好みも私と正反対のキレイ系の年上女性らしいし」
「ほんとに?」
「ほんとほんと。ってか、好みのタイプだったらお互い意識しちゃって、穏やかに暮らしたりできないでしょ」
「じゃ、全く男として意識してないの?」
「これっぽっちも! だから、元カレと同棲してたときより、何百倍も楽しく生活してますよ」
言っているうちに、全くその通りだ、と改めて実感する。
トラとの暮らしは、前の恋人との同棲生活より、そのラブラブだった初期に比べてもずっとずっと、楽しくて平和で落ち着いている。
本当に居心地がいい。
楽しいことばっかりで、嫌なことなんて一つもない。
「だからさ、世間的には変かもしれないけど、私的にはものすごく気に入ってるの。なんか、気心の知れた幼馴染みとか、気を使わなくていい親友とか、家族と住んでるみたいな感じでさ」
香苗は『お手上げ』というように肩をすくめて、大口を開けてパンナコッタを食べた。
デザートに運ばれてきたパンナコッタをスプーンですくい、香苗が私の顔色を窺うように覗きこんでくる。
私はぷっと噴き出して、さっきの香苗と同じように「ないない、ありえない!」と手を振った。
「だって、トラは全然私のタイプとちがうもん。トラの好みも私と正反対のキレイ系の年上女性らしいし」
「ほんとに?」
「ほんとほんと。ってか、好みのタイプだったらお互い意識しちゃって、穏やかに暮らしたりできないでしょ」
「じゃ、全く男として意識してないの?」
「これっぽっちも! だから、元カレと同棲してたときより、何百倍も楽しく生活してますよ」
言っているうちに、全くその通りだ、と改めて実感する。
トラとの暮らしは、前の恋人との同棲生活より、そのラブラブだった初期に比べてもずっとずっと、楽しくて平和で落ち着いている。
本当に居心地がいい。
楽しいことばっかりで、嫌なことなんて一つもない。
「だからさ、世間的には変かもしれないけど、私的にはものすごく気に入ってるの。なんか、気心の知れた幼馴染みとか、気を使わなくていい親友とか、家族と住んでるみたいな感じでさ」
香苗は『お手上げ』というように肩をすくめて、大口を開けてパンナコッタを食べた。