おふたり日和 ―同期と秘密のルームシェア―
*
「はあぁ………」
深いため息が、私の口から洩れた。
ああ、憂鬱だ………。
私は鏡の前で、どんよりと沈んだ自分の顔と見つめ合っている。
なぜかって、今から、とっても面倒で気乗りしない仕事をしなければならないから。
つまり、書類の催促だ。
締め切りを過ぎても書類を出してくれていない社員のもとに、直談判に行かなくてはならないのだ。
赤木さんと私で半々に分けてはいるけど、やっぱり気が重い。
特に、私の担当で一人、問題の社員―――会田さんという人がいて。
書類や手続きの催促に行くと、必ず、ものすごく迷惑そうな不機嫌な対応をされるのだ。
それが嫌すぎて、私は会田さんのところに行く前になると、ため息が抑えきれなくなってしまう。
「………でもまあ、嫌とか言ってられないしね。オシゴトですから、オシゴト。我慢も大事!」
私は頬をぺちぺちと叩いて、気合いを入れ直して化粧室を出た。