おふたり日和 ―同期と秘密のルームシェア―
そのとき初めて気がついたけど、私たちの周りでは、他の社員たちが息を呑んで成り行きを見守っていた。
会田さんもそれに気がついたようで、決まりの悪そうな顔になる。
それから、しどろもどろに釈明を始めた。
「い、いや………別に、日比野くんに手伝ってもらうほどのことは………」
「ええ? そんな、遠慮なんかしてくださらなくて結構ですよ」
トラが会田さんをじっと見つめて、容赦なく言葉を続ける。
「だって、書類の締め切りに遅れるなんて、相当なことですよね? 会田さんってしっかりされてるから、きっと今まで一度も遅れたことなんてないでしょう?」
「え、あー………それは」
「そんな会田さんが今回は本当に手一杯ってことですもんね。僕はなんとか都合つけられるので、お手伝いさせてくださいよ。あ、なんだったらその書類、僕がやりましょうか?」
「いや、それは、うん、大丈夫………」
「いやいや、ほんと遠慮しないでください。困ったときはお互い様って言うじゃないですか」
「あー………」
「それに、期日に遅れたら、事務の皆さんが大変になっちゃうと思いますし、ね」
トラは私のほうをちらりと見て、にっと笑いながらそう言った。
「事務のほうに迷惑かけないためにも、営業部のよしみで、お手伝いしますよ」
キラキラとした笑みで言われて、会田さんは言葉を失ってしまったようだった。
会田さんもそれに気がついたようで、決まりの悪そうな顔になる。
それから、しどろもどろに釈明を始めた。
「い、いや………別に、日比野くんに手伝ってもらうほどのことは………」
「ええ? そんな、遠慮なんかしてくださらなくて結構ですよ」
トラが会田さんをじっと見つめて、容赦なく言葉を続ける。
「だって、書類の締め切りに遅れるなんて、相当なことですよね? 会田さんってしっかりされてるから、きっと今まで一度も遅れたことなんてないでしょう?」
「え、あー………それは」
「そんな会田さんが今回は本当に手一杯ってことですもんね。僕はなんとか都合つけられるので、お手伝いさせてくださいよ。あ、なんだったらその書類、僕がやりましょうか?」
「いや、それは、うん、大丈夫………」
「いやいや、ほんと遠慮しないでください。困ったときはお互い様って言うじゃないですか」
「あー………」
「それに、期日に遅れたら、事務の皆さんが大変になっちゃうと思いますし、ね」
トラは私のほうをちらりと見て、にっと笑いながらそう言った。
「事務のほうに迷惑かけないためにも、営業部のよしみで、お手伝いしますよ」
キラキラとした笑みで言われて、会田さんは言葉を失ってしまったようだった。