クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
「あっ、……ちょっと眠くなっちゃって、頬っぺた叩いたんです」

私は咄嗟に作り笑いをして誤魔化す。

……いけない。知らず呟いていたらしい。

「そう?そう言えば、池野さん、ちょっと痩せたんじゃない?週末風邪で寝込んでたって言ってたけど……。今日の歓送迎会大丈夫?」

「はい。風邪は完治したんで大丈夫ですよ。風邪で食欲が落ちたのでちょっと痩せちゃったのかも……」

「それなら、今日の歓送迎会でいっぱい食べなきゃね」

コミュニティースペースにやって来た真田さんが私に向かってウィンクする。

「織田が必死に主役の二人を探してたよ。あと十分でここを出るけど、終わりそう?」

「あっ、はい。もうだいたい掃除は終わったので、大丈夫です。佐藤さん、私はゴミを捨てて来るので先に戻ってて下さいね」

「うん、ありがと」

タオルで手を拭きながら佐藤さんが笑顔で答える。
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