クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
私がゴミ袋を持ってフロアの置くにあるごみ捨て場に向かおうとすると、真田さんが近づいて来て声を潜めた。

「同居生活どう?何か悩みがあったら僕に相談してね」

悩み……。

そもそも朝比奈先輩と同居というのが悩みなのに……言える訳がない。

「今のところ大丈夫です」

私は真田さんの顔を見て無理矢理笑顔を作った。

「そっか、それ聞いて安心した。ところで、なんで週末朝比奈に会ったの?あいつは『いろいろあった』って言って詳しい事は教えてくれなかったけど」

「それは……金曜の台風の日、電車が止まって帰れなくなって……朝比奈先輩の家に取り敢えずお邪魔させてもらったんです。でも、熱をだしてそのまま先輩の家で寝込んでしまって、日曜日にうちまで送って頂いたんですけど……アパートが泥まみれになってて……」

「そうだったんだね。辛い事思い出させてごめんね。朝比奈ってクールで感情をあまり表に出さないから冷たく見えるかもしれないけど、悪い奴じゃないから。怖がらずにあいつを見てやって」
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