クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
切れ長の二重のクールなその眼差し。彼の視界に私が映るのはこれで二回目。
さらさらした漆黒の髪に通った高い鼻筋、薄くて形のいいその唇。ビシッとしたダークグレーのスーツ姿はまるで雑誌のモデルのようだ。十年経って朝比奈先輩もより格好良く、よりセクシーになった。
背も真田さんと同じ位高い。身長百五十六センチの私がパンプスを履いても、見上げなければ目が合わない。
「海外事業部営業課課長の朝比奈です。宜しく」
朝比奈先輩が私の目を見てフッと微笑する。
クールなイケメンの微笑に胸がときめく女の子は多いと思う。
実際、昔の私がそうだった。でも、今の私は違う。胸がズキッと痛む。それに、記憶と変わらないそのテノールの甘い声に身体が震えた。
だってもうこの笑顔は作り物だって知ってるから……。そう目が笑ってない。
どうか……声が震えませんように。
さらさらした漆黒の髪に通った高い鼻筋、薄くて形のいいその唇。ビシッとしたダークグレーのスーツ姿はまるで雑誌のモデルのようだ。十年経って朝比奈先輩もより格好良く、よりセクシーになった。
背も真田さんと同じ位高い。身長百五十六センチの私がパンプスを履いても、見上げなければ目が合わない。
「海外事業部営業課課長の朝比奈です。宜しく」
朝比奈先輩が私の目を見てフッと微笑する。
クールなイケメンの微笑に胸がときめく女の子は多いと思う。
実際、昔の私がそうだった。でも、今の私は違う。胸がズキッと痛む。それに、記憶と変わらないそのテノールの甘い声に身体が震えた。
だってもうこの笑顔は作り物だって知ってるから……。そう目が笑ってない。
どうか……声が震えませんように。