クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】

佐藤さんにずっといじられていた織田が急に話に割って入る。

「仕事の話だよ。織田も参加したいの？」

真田が平然とした顔で嘘をつき、織田に向かって意地悪な笑みを浮かべる。

「いえいえ。管理職のお二人でどうぞ」

織田が顔を引きつらせながら首をブンブンと横に振る。

「使えない奴だね」

クスリと笑って真田が織田をからかい出す。

「そんな事ないですよ。お二人に花を持たせたんですよ。あっ……」

織田が何か思い出したように突然声を上げる。

「織田、何話を逸らそうとしてるの？」

「違いますって。そう言えば陽世莉ちゃん戻って来ないなって思って。大丈夫ですかね？」

「言われてみればそうだね」

真田が軽く頷いて、横目でチラリと俺を見る。

“どうするの、朝比奈？”

真田の目はそう俺に問い掛けていて、俺が動くのを待っている。