クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
確かにトイレにしては長い。トイレの中で倒れてなければいいが。

「僕ちょっと様子見てこようかな?」

織田が立ち上がったちょうどその時、課の他のメンバー達から声が上がった。

「織田ー、肉足りない。それにビールと日本酒も、あと……野菜か」

「織田ー、俺もビール追加!」

「はいはい、今、御用聞きに伺いますよ」

ぼやくように言って苦笑しながら織田が他のメンバーの元に歩み寄る。

織田の様子を眺めながら、真田が口角を上げ挑戦的な目をして俺に告げた。

「朝比奈が行かないのなら、僕が行こうかな。池野さん、純情そうで可愛いし」

真田が本気で言ってるとは思えない。ただ単に俺を煽って楽しむつもりなのだろう。

無視すればいい……そう冷静に判断しても、ひよこが倒れ込んでる姿が頭に浮かんでくる。

「ちょっと電話をかけてくる」
< 121 / 297 >

この作品をシェア

pagetop