クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
無表情で真田に声をかけて席を立つと、真田は俺の背中に向かって言った。
「朝比奈にしては下手な言い訳」
真田の表情を見なくてもわかる。俺の事を面白がって笑っているに違いない。
優しそうに見えて、結構性格が悪いのだ。
薄暗い廊下を歩いてトイレに向かうと、右に曲がった少し先にひよこが壁にもたれかかり座り込んでいた。
「ひよこ!」
ひよこの元に駆け寄ると、彼女はうっすら目を開け青白い顔で「帰りたい」とうわ言のように呟いてまた目を閉じる。
ひよこの身体に触れるとすっかり身体が冷たくなっていて、俺はスーツのジャケットを脱いで彼女の肩にかけた。
「すぐに連れて帰るしかないか……」
そう呟くと、ポケットからスマホを取り出し、真田にかける。
「真田、ひよこの具合が悪いから連れて帰る。タクシー呼んで、俺とひよこの荷物を持ってきてくれないか?」
『了解』
真田が詳細を聞かずにすぐに電話を切ると、俺はひよこの顔をじっと見つめながら、彼女の頬に触れた。
「朝比奈にしては下手な言い訳」
真田の表情を見なくてもわかる。俺の事を面白がって笑っているに違いない。
優しそうに見えて、結構性格が悪いのだ。
薄暗い廊下を歩いてトイレに向かうと、右に曲がった少し先にひよこが壁にもたれかかり座り込んでいた。
「ひよこ!」
ひよこの元に駆け寄ると、彼女はうっすら目を開け青白い顔で「帰りたい」とうわ言のように呟いてまた目を閉じる。
ひよこの身体に触れるとすっかり身体が冷たくなっていて、俺はスーツのジャケットを脱いで彼女の肩にかけた。
「すぐに連れて帰るしかないか……」
そう呟くと、ポケットからスマホを取り出し、真田にかける。
「真田、ひよこの具合が悪いから連れて帰る。タクシー呼んで、俺とひよこの荷物を持ってきてくれないか?」
『了解』
真田が詳細を聞かずにすぐに電話を切ると、俺はひよこの顔をじっと見つめながら、彼女の頬に触れた。