クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
憔悴しきって疲れた顔。目の下には隈が出来ている。

睡眠もしっかり取れていないんじゃないだろうか?

自分の家があんな目に遭ったし、その上、上司の俺の家で安心して眠れる訳がない。

俺の前ではいつも緊張しているし……。

俺への苦手意識がなくなれば、この状況も少しは改善されるんだろうが……。

「どうしたらいい?」

眠っているひよこに問いかけても、当然答えは返ってこない。

ハーッと悩ましげに溜め息をつくと、俺はそっとひよこの身体を抱き上げた。

だが、違和感を感じて、数秒固まる。

前に抱き上げた時より身体が軽い。

この数日で体重も減ったのか?

ひよこを抱き上げて通路を進むと、真田が俺たちの荷物を持って息急ききって現れた。

「タクシー来たよ。池野さん、大丈夫?」

真田が心配そうにひよこの顔を覗き込む。
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