クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
「今は多分身体が辛くて眠ってるだけだ。悪いが、後を頼む」

「わかったよ」

真田と共に店を出ると、店の前に横付けされたタクシーにひよこを乗せて自分も乗り込む。

「明日の午前は会議だけだし、僕が代理で出るからフレックスでいいよ」

真田は荷物を後部座席に乗せると、気を利かせて俺にそう言ってくる。

「ああ」

曖昧な返事をすると、タクシーの運転手に自宅の住所を告げた。

車が発進すると真田が手を振る。俺は軽く頷くと、ひよこの肩を抱いて彼女の頭を自分の胸にもたれ掛からせた。

静かに夜の街を走るタクシー。

ふと腕時計に目をやると、まだ夜の八時前。

車窓からの景色をボーッと眺めていると、ひよこの寝言が聞こえてきた。

「……あ……朝比奈……先輩……ごめ……ん……なさい」

夢でまで俺に謝って……。一体どんな夢を見てるのやら。
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