クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
10、優しいキス
朝比奈先輩の夢を見た。

彼がベッドで『今はここがお前の家なんだよ』って優しく言いながら私の頭を撫でる。

慈しむように大事にされて……夢の中で安心して眠る自分がいた。

だからだろうか?

今朝の目覚めはスッキリしている。

昨日、あれだけ吐いたのに、気分はそれほど悪くない。

「今……何時だろう?」

ベッドの上に置いてある目覚まし時計に目をやれば、時刻は八時四十六分。

え?八時四十六分~‼

ヤバイ!寝過ごした~‼

慌ててベッドから飛び起き、身支度を調えて洗面所で洗顔と歯磨きを済ませ、小走りでダイニングへ向かう。

「おはよう。慌ただしいな」

え?
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