クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
優雅にコーヒーを飲みながらスーツ姿の朝比奈先輩が挨拶する。この時間に彼がいると思わなかった私は、ビックリして身体を固くした。

何でまだ朝比奈先輩がいるの?彼に会う心の準備が出来てないんですけど……。

「お、おはようございます」

条件反射で挨拶を返すが、今の私は相当間抜けな顔をしてるだろう。

いくら朝比奈先輩が車通勤だからって、この時間ここにいれば完全に遅刻。

なのに、どうして彼は英字新聞を読んで呑気にコーヒーを飲んでるの?

朝比奈先輩に限って時間を勘違いしているというのはあり得ない。なら、なぜ……?

「朝比奈先輩……会社は?」

「今日はフレックスにした。体調はどうだ?」

朝比奈先輩は落ち着いた様子で答える。

フレックス……なるほど。だからそんなにくつろいでるんだ。でも……何でフレックスにしたんだろう?
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