クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
わけがわからなくて思わず聞き返す。

「行き先が同じなのに別々で行くなんて馬鹿げてる。それに、電車より車で会社に行く方が楽だろう?」

そりゃあ電車で行く方が楽だけど……。でも、ひとりで電車で行く方が気が楽だ。

この数日だって別々に出勤したのに、何で朝比奈先輩と一緒に通勤しなきゃいけないの?

私の身体を心配してくれてるのかもしれないけど、全然嬉しくない。

朝比奈先輩と一緒にいたら目立つし、会社の人に同居の事がバレちゃうよ。

「あのう……体調は大丈夫ですし、私は電車で行きます」

小声で断るが、朝比奈先輩は口角を上げながらきっぱりとした口調で言った。

「これは、上司命令だ」

うっ……そんな言い方するなんて狡い。

でも……やっぱり一緒に通勤なんて絶対無理だよ。
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