クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
「池野さん大丈夫?具合悪かったら無理しないでよ」

佐藤さんが優しく声をかける。

「陽世莉ちゃん、昨日の事は気にしなくていいよ。また今度美味しいもの食べに行こうね 」

織田君が私を安心させるようにニコッと微笑む。

その後他のメンバーにも謝ると、私は席に着きパソコンを立ち上げる。

すると、真田さんが右手に何か資料を持ちながらオフィスに入ってきた。

「あっ、池野さん、来たんだ」

私の顔を見るなり、真田さんが柔らかな笑みを浮かべる。

「おはようございます。昨日は途中で帰っちゃってすみません」

「気にしなくていいよ。それより……」

真田さんが私に近づいて声を潜める。

「あいつ、ちゃんと池野さんの面倒見た?」

真田さんの質問にギクッとなるも、私は彼の目を見て首を縦に振る。

朝食作るのは私の仕事なのに、先輩は私のために雑炊を作ってくれた。昨日だっていろいろ介抱してくれたし……。
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