クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
それがきっかけで、毎週末やって来るおじいちゃんとよく話をするようになった。棚の整理をしていると、おじいちゃんがいつも私を見つけて声をかけてくれる。私がおじいちゃんをどう呼んでいいか困っているとおじいちゃんは言った。
『源さんと呼んでくれんかのう』
源さんがやって来ると、いつも源氏物語の話で盛り上がった。
どの登場人物が好きとか、誰の生き方に憧れるとか。
『紫の上』も好きだけど、私は『空蝉』が好きだと源さんに言ったら、彼は『そうか。慎み深くて陽世莉ちゃんらしいのう』と言って優しく笑った。
そう言えば、彼氏は?とか、仕事は?とかいろいろ個人的な事も聞かれたような気がする。
朝比奈先輩にこっぴどく振られた話もしたかもしれない……。
それに、リストラされて困ってるって話もした。
ひょっとして源さんが私に同情して、佐川先生経由でここでの仕事をお世話してくれたのだろうか。
『源さんと呼んでくれんかのう』
源さんがやって来ると、いつも源氏物語の話で盛り上がった。
どの登場人物が好きとか、誰の生き方に憧れるとか。
『紫の上』も好きだけど、私は『空蝉』が好きだと源さんに言ったら、彼は『そうか。慎み深くて陽世莉ちゃんらしいのう』と言って優しく笑った。
そう言えば、彼氏は?とか、仕事は?とかいろいろ個人的な事も聞かれたような気がする。
朝比奈先輩にこっぴどく振られた話もしたかもしれない……。
それに、リストラされて困ってるって話もした。
ひょっとして源さんが私に同情して、佐川先生経由でここでの仕事をお世話してくれたのだろうか。