クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
「無駄だな。会長の目的がそもそも俺とお前を結婚させる事なんだから」

「……何で私となんか。私は社長令嬢でも何でもないんですよ!」

朝比奈先輩の言葉に驚いて声を上げる。

私はお金持ちでもないし、取り立てて美人でもない。仕事だってバリバリ出来るタイプじゃない。何も持ってないのにどうして私を朝比奈先輩の結婚相手に選ぶんだろう。理解できない。

「会長がお前を気に入ったからだ。会長とは図書館でよく話をしたんだろう?お前と会ったのが偶然なのか、意図的なのかはわからないが、ばあさんの話では、この二ヶ月、土日の午後になると他の予定をキャンセルしてでも図書館に通っていたらしい。図書館から帰ってくるといつもかなり機嫌が良かったそうだ。会長はお前を俺に引き合わせようと、お前の履歴書を俺のところに持ってきた。俺の嫁にしようと画策してたんだ」

……やっぱり会長がこの仕事を世話してくれたんだ。

でも、朝比奈先輩の嫁になんて絶対に納得いかない。
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