クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
「へえ、会長と知り合いだったなんて凄いね。じゃあ、朝比奈さんは何で一緒に呼ばれたの?」

織田君の素直な突っ込みに、私はウッと言葉を詰まらせる。

え~と、それはなんて言い訳しよう。

朝比奈先輩の嫁とか婚約者のフリとか、そんな話は絶対に出来ないし……。

私が悩んでいると、席に着いた朝比奈先輩が助けてくれた。

「ひよこの上司が俺だから呼ばれただけだ」

淡々とした朝比奈先輩の言葉に、織田君は眉根を寄せる。

「……なんか、怪しいなあ。だったら、会長秘書の氷室さんが来る必要なかったんじゃあ……」

ブツブツ呟く織田君の頭を近くにいた真田さんがパシッと叩く。

「織田、ブツブツ言うの止めてくれない?気持ち悪くて仕事にならない」

「うっ……すみません」

真田さんに謝りながらも、織田君はまだ納得いかないのか、朝比奈先輩にいぶかしげな視線を向けた。
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