クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
「あっ、お帰りなさい」

朝比奈先輩と真田さんに声をかけると、朝比奈先輩と目が合った。

「ただいま~。あれっ、織田、今日はこんな早い時間に帰るの?」

真田さんが私を見て微笑むと、織田君に目をやり突っ込みを入れた。

「はい、今日はこれから陽世莉ちゃんとデートなんですよ」

織田君がニコッと笑いながら、しれっと嘘をつく。

だが、一瞬、この場が凍った。

え?デート?お、織田君、何言ってるのよ~!

ギョッとした私が平然としている織田君を見ると、朝比奈先輩の視線を感じた。

何だろう。朝比奈先輩の視線がチクチクと痛いんですけど……。

背中をスーッと嫌な汗が流れる。

「ち、ちょっと、織田君!違うよ!」

私が織田君に向かって小声で抗議すると、彼はペロッと舌を出した。
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