クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
真田さんが意味ありげにチラリと私を見る。

「ガーン、 陽世莉ちゃん、彼氏いるの?」

織田君は『ムンクの叫び』のような顔をすると、ジーッと私の顔を見た。

真田さん、織田君をたしなめるのはいいですけど、変な方向に話を変えないで下さい。

「そ、それは……その……」

どう答えていいかわからず言葉に詰まる。

婚約者のフリをしてるって事は、いるって言った方がいいのかな?

でも、それは……会長の前であって……う~ん、正直にいないって答えるべきなんだろうか?

「あっ、でも陽世莉ちゃん、アクセサリーつけてないし、いないんじゃない?」

織田君が嬉しそうに私の左手を掴む。

「ちょ……織田君……」

私がびっくりして織田君の手を振り払うことも出来ないでいると、朝比奈先輩が手に持っていたポスターらしきものでパコーンと織田君の頭を叩いた。
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