クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
ひとりポツンといると孤独を感じる家だったけど、絢香さんと一緒に過ごすうちに少しずつ家に慣れてきた。

あの家でどう過ごしていいかわかってきたというか……自分の居場所が出来たのかもしれない。

「 陽世莉ちゃん、どうする?」

「じゃあ……‼」

“せっかくだし、食べて帰りましょうか?”そう言おうとしたら、駅の方から総務部の女の子が二人やって来た。

「あっ、織田くんじゃない?ここで会えるなんて嬉しい。夕飯まだなら一緒に食べて帰らない?」

二人のうちの背の低い女の子の方が織田君ににっこり微笑む。

頬がほんのり赤い。

きっと織田君の事が好きなんだろうな。

背の高い女の子の方がチラリと私を見たので、軽く頭を下げたが無視された。

織田君と同じ営業課にいるからか、私はよく思われていないらしい。

織田君、顔も格好いいし、性格も良いし、女の子にモテるもんね。
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