クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
「え?いや……その」

織田君が困ったようにポリポリと頭をかく。

……私がいちゃ邪魔だよね。

とてもじゃないけど、あの女の子達と一緒に夕飯を食べる勇気はない。

「織田君、ごめん。私、用事を思い出した!」

用事なんてほんとはないけど……。

織田君、嘘ついてごめんなさい。

織田君に向かって手を合わせると、私は踵を返してもと来た道を走った。

「ちょっと、陽世莉ちゃん!」

織田君の叫び声が聞こえたが、聞こえない振りをして走り続ける。

パンプスを履いた足で百五十メートルくらい走っただろうか。

さすがに息切れがして立ち止まると、バッグに入れておいたスマホがブルブルと震えた。

絢香さんかな?

バッグからスマホを取り出して表示を見ると、朝比奈先輩からメールが来ていた。
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